自分は高校で電子回路系を専攻し会社に就職。
ものづくりの会社で基板を設計して組み立てて製品を納めていました。
会社に入ったら知らない技術用語がバンバン出てきます。
会社の中でまずわからなかった用語が「ケーブルハーネス、圧着、圧雪、AWG」です。
ケーブル関係の用語なのですが、まとめ解説がネット上になかったので自分が図解でまとめたいと思います。
最後に勉強になる参考書を紹介しておきますので記事がよいな~って思ったらポチる程度でみていただけたら嬉しいです。
【もくじ】
まずはケーブルとは電線のことである。
ケーブルって何ってところから順序よく話していきましょう。
ケーブルは電気を通す線=電線と呼ばれています。
英語で書くとCable。
ケーブル単体で製品として存在はできませんし、そのまま製品内で使用されることはありません。
そのために加工が必要となっていきます。
それが次の話。
ケーブルハーネスとはケーブル加工品のことである
ケーブルハーネスというのはケーブル加工品のことを指します。
先程も話したとおり、ケーブル(電線)単体では製品を製造していく中では全く無価値です。
ただの工作だったり、製品を設計していく最中の試作品だったりする中では単体で使うことはあると思いますが。。
製品の中で組み込んでいくには加工が必要になります。
どういう加工?
すごくわかり易い例でいうと皆さん使っているスマホの充電ケーブルありますよね。
充電ケーブルはケーブルハーネスです。
あれもただ単にケーブルだけあってもスマホに指すことはできません。
スマホに指すコネクタがあるのでスマホに指すことができます。
ものづくりの現場においては・・・
そう、ケーブルにコネクタを付けて実際に挿入できる状態にしたものをコネクタハーネスと呼びます。
スマホだとわかり易い例でしたがもう少し技術的に踏み込んだ話をします。
ものづくりの現場においては一つの製品の中にはたくさんの基板が入っていることが多いです。
基板間を接続する際に例えばケーブルを使おうと思うと基板に直接はんだ付けするしかありません。
直接はんだ付けしちゃうため一度つけちゃうと外すのが大変だし基板を壊してしまう可能性があります。
接続端子にこのコネクタハーネスを使います。
基板にはコネクタのオス(凸)をはんだ付け。コネクタハーネスにはコネクタのメス(凹)側をつけます。
こうすることで基板間をつなぐことができるようになります。
脱着が可能になるし、基板の信頼性があがります。
製品には無くてはならない部品です。
コネクタハーネスの作り方
コネクタハーネスは自作でももちろんできます。
- ケーブル
- コネクタ
- コンタクト
- 圧着工具、圧接工具
を用意すれば自作でできます。
また、メーカーで量産品を作っているところだとコネクタハーネスを業者に委託して数十本~数千本単位で作ります。
その場合は仕様書を取り交わして作らせてくださいね。
圧着と圧接の違いは?
ケーブルハーネス関係を勉強している方で圧着、圧接が出てきて戸惑った方もいるかと思います。
そもそも圧着や圧接はコネクタハーネスを制作する際にケーブルとコネクタをどうやって繋げるかの違いになります。
違いについて説明します。
圧着というのは
電線一本の皮を剥いて、一本用の金具に差し込み、工具で締め付けるものです。一本ずつ接合するので面倒ですが、引っ張り強度が強く、大電流を流せるものもあります。
圧着は1本のケーブルから被覆を剥いで出てきた電線を1本の圧着端子に載せ、専用の圧着工具でガシャン!と締め付けるものです。
直接、電線と端子を繋げるため接触する面積が多いため大電流を流すことが可能です。
ただし、一本ずつ作業をしないといけないため面倒くさい。
圧着のポイント
- 圧接と比べ多くの電流を流すことが可能。
- 一本ずつの作業となり面倒。そのため業者に発注すると高め。
圧接というのは
圧着には専用のコンタクトと呼ばれる昆虫のアゴみたいな金具があります。
コネクタ対して端子の数だけ用意されていてそこにケーブルの被覆をつけたままコンタクトに通し専用の圧着工具でガシャンとやるものです。
そうすることで被覆がついた状態でもアゴが被覆を突き破ることで中の電線に接触させます。
皮を剥かずに複数の電線をいっぺんに接合できるので、作業性がいいですが、接触面積が小さいのであまり大きな電流は流せない欠点があります。
圧接ポイント
- 圧着と比べ大きな電流は流せない。
- 複数の電線をまとめて作業可能。
AWGとは?
ケーブルといえば圧着圧接、ケーブルハーネス全てに関わってくるのがAWGという用語。
AWGはAmerican Wire Gaugeの略。
電線の導体の太さを決めるアメリカの規格です。
AWG○○と表記し、○○には数字が入ります。
数字が大きくなると線径が細くなります
AWGと導体の太さの関係は表で記載されていることが多く、そこにJISの規格である断面積の値も載っています。
>>参考までにフジクラの対応表のリンクを貼っておきます。
ケーブルを圧着する際も、圧接する際も専用の端子にケーブルを通すことになりますが、AWGが対応していないと専用の端子に入らないかスカスカになってしまいます。
専用の端子にはちゃんと対応するAWGが記載されているのでよく確認しましょう。
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