平成30年7月豪雨では多くの人が亡くなっております。
まさかこんなに死者が出るとは思わなかった人が多かったのではないでしょうか?
そう思ってしまう頭の仕組み「正常バイアス」についてと、実際に私が経験した正常バイアス、正常バイアスへの対策について記事にまとめてみたいと思います。
【もくじ】
正常性バイアスとは
正常性バイアスとは、自分が予期せぬ出来事に遭遇したときのストレスで心が壊れないように、自分は正常であるということを保つように頭が働くメカニズムのことです。
予期せぬ出来事に遭遇するたびに驚いてたりすると体が疲れてしまいます。
そのため、防御反応として落ち着いて動揺しないよう心のブレーキが働きます。
これが正常性バイアスです。
でも、自然災害や事件に巻き込まれたときは正常性バイアスは逆に命を落とす原因になり得るのです。
正常性バイアスの例をいくつか挙げてみたいと思います。
正常性バイアスの例
→津波に飲み込まれて死亡。津波に飲み込まれるなんて思わなかった。
→火山灰に飲み込まれて死亡。火山灰がここまでくるなんて思わなかった。
→洪水に飲み込まれて死亡。いきなり水が押し寄せるなんて思わなかった。
→銃に打たれて死亡。自分が銃で打たれるなんて思わなった。
などが挙げられます。自分なら大丈夫という根拠のない自信も正常性バイアスです。
私が経験した正常性バイアス
自分がこれまでに経験した正常性バイアスについて挙げてみたいと思います。
会社 in 東日本大震災
2011年3月11日の東日本大震災のときです。
自分はこのとき都内の会社に勤務中でした。揺れ始めてものの数秒で一気に揺れが強くなりました。
自分は「これはアカンやつや」と気づいていち早く逃げ出しました。
しかし,周りの同僚たちは皆とぼけた顔で「でかい地震だー(トボケ顔)」なんて言ってるのです。
まさに正常性バイアスです。自分がいち早く逃げ出したおかげで同僚たちは避難を開始しはじめました。
この数秒もの差が命の選択を分けるものにもなりえます。
父親 in 東日本大震災
東日本大震災の数ヶ月後、両親は親戚の結婚式のために仙台に向かいました。
まだ余震が続いている中で父親は母親を連れて津波が襲った港に行っていました。
ちょうどそのときに地震警報が発令。津波の警報も出ていました。
都内にいた自分はパニックになり、母親に急いで避難をするように連絡。
結局は津波は来なかったものの。
後日、
と笑われます。自分なら大丈夫だという正常性バイアスです。
もし、津波が来てたら両親は死んでいました。
自分なら大丈夫=死亡フラグ
ここにたどり着いた方はどこかそういった思いはありませんか?
「自然災害や事件なんかで自分は死ぬはずなんかない、自分なら大丈夫」
私もそういった思いはどこかにあります。
でも、
死んでいった人たちはみんな「自分は死ぬはずなんかない。自分なら大丈夫。」
って思ってたんです。ここ、大事なところです。
自分も死ぬんだって言う気持ちはもっていないといけません。
2019年正月にYoutuberアバンティーズのメンバーの方。
突然の訃報。彼だって自分が死ぬなんて思ってなかったと思います。
対策
正常性バイアスの怖さはわかっていただけたでしょうか?
生死がかかった瞬間は突如として自分の目の前に起こります。
そんなとき、映画やアニメみたいに目の前がスローモーションになるなんてことはありえません。
1秒でも早く自分の実を守る行動に移らないといけません。
ではそんな正常性バイアスに対抗するためにはどうすればよいのでしょうか?それについて解説します。
訓練する(おすすめ度★★★☆☆)
学校や会社では年に1度、地震や火災の避難訓練がありますよね?真面目にやりましょう。
体で覚えることでいざとなったときに役に立ちます。
そういった機会だけじゃ物足りない方は、町中を歩いているときに避難場所となっているところを意識して探すように心がけましょう。心の訓練になります。
災害動画を見る(おすすめ度★★★★★)
これは一番だと思います。
YouTubeで「地震」や「災害」などで検索をするとテレビでは見れないような悲惨なシーンを動画で見ることができます。
そのようなリアルな映像を見ることで、「自分と同じような普通の人なのに亡くなっちゃうんだ。」と思えます。
不謹慎ではありますが「自分は映画みたいに命拾いするような特別な人間なんかじゃない」とはっきりと認識することができます。
まとめ
ポイント
- 正常性バイアスは異常事態において「自分なら大丈夫」と思い込んでしまう死のメカニズム。
- 正常性バイアスで死んでしまった人はたくさんいる。
- 正常性バイアスへの対策は「訓練」と「非常事態を撮影した動画をたくさんみること」。
有事のときにすぐに動けるようにしましょう。